いきなりですが、世界中にはたくさんの種類の金属がありますよね。
身近なものでいくと、自動車や建物に使われる鉄、野球のバットに用いられるアルミニウム、指輪やネックレスに素材となる金、銀、プラチナといったものがあります。
このたくさんある金属も大きく分けると3種類に分類されます。
・鉄、銅、亜鉛、アルミニウムなどのベースメタル
・金、銀などの貴金属
・パラジウム、ロジウムなどのレアメタル
もし手元にある金属がお金に変わったら嬉しくないですか!?
当サイトは年間約3000本の触媒買取の専門店でして、毎日たくさんのお問い合わせがあります。
買取価格に関して、現在は以下の価格帯になっています。
・ガソリン車 5,000円~260,000円
・ディーゼル車 5,000円~100,000、
特に最近は買取数が増えていっているので、なぜなのだろうと思っていろいろと調べてみると、どうやら自動車触媒に使われているレアメタルが値上がりをしているみたいです。
本記事は次に当てはまる方に簡単にまとめた内容になっています。
・レアメタルについて少し詳しくなりたい
・自動車業界に携わっていて豆知識をつけたい
・自動車触媒を買い取って欲しい
・レアメタルがお金になるときいてこの記事をみつけた
もう知ってるよって方にも自動車触媒のプロがわかりやすくレアメタルについて解説していますので読んでみて下さい。
レアメタルとは?
レアメタルは、希少金属とも呼ばれており、産出量が少なかったり、抽出が難しいといった理由で流通量・使用量が少ない希少な非鉄金属のことです。
私達の生活に欠かせないものにもレアメタルはたくさん使われています。
例えばスマートフォン、自動車、電化製品といったものがあります。
レアメタルの種類
リチウム、ベリリウム、ホウ素、希土類、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、ガリウム、ゲルマニウム、セレン、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、バラジウム、インジウム、アンチモン、テルル、セシウム、バリウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、白金、タリウム、ビスマス
自動車触媒にもレアメタルが使われている?
実は自動車部品は多くのレアメタルを使っているので、レアメタルの宝庫といわれているのです。
・ハイブリット自動車等のモーター、駆動用電池
・トラック等の排ガス浄化触媒
・自動車の電子部品を繋ぐワイヤーハーネス 等
今回は排ガス浄化触媒に使われているプラチナ、パラジウムに着目してみましょう。
レアメタルを用いた自動車触媒
排ガス浄化車触媒、いわゆる自動車触媒というものです。
自動車触媒とは、排ガスをキレイにする浄化装置です。
触媒は、自動車マフラーの手前に取り付けられており、有害物質を無害な物質に変えて排出します。
この技術が普及した背景には、1970年代、空気汚染の深刻化が進んだ事によって各国政府が自動車の排気ガス規制をスタートさせたことがあります。
もしかするとトラック業界に長くお勤めの方は懐かしいと感じるのではないでしょうか。
要するにこの触媒にプラチナ、パラジウムといったレアメタルが使われています。この高価な素材のおかげで体に悪い空気がきれいになっていると考えると凄いですよね。
それではレアメタルが触媒にどのように使われているのか、もう少し詳しく知りたい方のために当サイトのなかでも買取量の多いディーゼル触媒を使って説明します。
自動車触媒の構造
触媒は自動車の排気ガスに含まれる有害物質を90%以上浄化して待機に排出する役割を担っています。
エンジンからの有害物質を酸化または還元反応で除去し、より安全な二酸化炭素、水、窒素に変換しています。
そしてレアメタルを触媒にコーティングすることによって酸化や還元の反応が促進することになるんです!
パラジウムとプラチナについて
パラジウム(Pd)
価格相場 | 税込買取価格
10,065円/グラム ※2022年8月22日時点 |
産出国 | ロシア:40%
南アフリカ35% その他:カナダ・アメリカ・ジンバブエ等 |
用途 | • ガソリン車の触媒
• 割金(プラチナ、ホワイトゴールド) • ジュエリー • 歯科インプラント |
問題 | 今後アフリカ以外の産出国では枯渇する見込み、リサイクルが主流となり安定供給が困難になる可能性が強い。 |
プラチナ(Pt)
価格相場 | 税込買取価格
4,267円/グラム ※2022年8月22日時点 |
産出国 | 南アフリカ:70%
ロシア:13% その他:ジンバブエ・カナダ・アメリカ等 |
用途 | • EV車の触媒
• ジュエリー • るつぼ • 抗がん剤 |
問題 | 今後の安定供給が埋蔵量の観点から生じる可能性はある。EV車の需要が高まるにつれ、コスト高となるプラチナ需要の低迷は懸念される。 |
普段、レアメタルの価格相場を目にすることはあまりないと思うのでかなり新鮮ではないでしょうか。
現在はパラジウムのほうが買取価格は高いですね!
ロジウムと自動車触媒
プラチナ、パラジウムとともに自動車触媒に欠かせない素材としてロジウムがあります。
詳しく知りたいという方への豆知識です。面倒くさいって方一気にはスクロールしてください!
ロジウム(Rh)という素材はレアメタルの一種ですが厳密にいうと経済産業省が定義する31元素の中からは外れています。
理由としてロジウムは“白金”族という括りに含まれていますが、元素としての白金(Pt)以外はレアメタルの定義の中に含まないとしているみたいです。
そのせいか、レアメタルで調べるとロジウムが出てこないなんてことが起きてしまいますが、レアメタルの一種として活躍してくれる素材であることは間違いありません。
しかしながらロジウムはNOx(窒素酸化物)をN2(窒素)に還元する大きな役割を担っており、ロジウムは必要不可欠なことは間違いありません。
レアメタルの買取価格が上昇中
近年、レアメタルの買取価格が上がってきています。
それに伴い自動車触媒の買取需要も高まっており、取引量が増えているということなんですね。
自動車触媒が普及し始めた1990年代、プラチナを用いた自動車触媒が主流でしたが、価格の安いパラジウムに注目が集まることで一気に価格が高騰し、パラジウムがプラチナの値段を上回ることが起きました。
その結果、パラジウムだけでなくプラチナの価格もともに高騰することとなり、各社はコスト削減のため自動車触媒の使用量を減らす技術を開発することになりました。
この流れがハイブリッドや電気自動車を生むことにつながってきます。
プラチナ価格の推移
プラチナ価格は現在1グラムあたり4,000円代を継続しています。
1990年代以降、自動車業界ではハイブリッドやEV車、家電業界では携帯電話やパソコンといったものに使用されていた蓄電池にはプラチナを使用することが一般的でした。
短期的にみると金価格の値上がりとともにプラチナ価格も上昇していきました。
しかし、プラチナ不使用の燃料電池が開発された際に、メーカー各社でプラチナの取引に関して見直しを行ったため、プラチナ価格が下落することになりました。
またフォルクスワーゲンの燃費不正が原因でディーゼル車向け消費が減少するかもしれないという懸念がプラチナ価格の低迷につながったとも考えられています。
地球温暖化への取り組みの一環で、世界各国では2040年を目途にガソリン車の国内販売を中止することを発表しました。
これは将来の燃料電池の需要が増えることが見込まれていますが、コストが見合わない事もあってか実用化が進みにくくなっています。
現状では燃料電池開発によるプラチナ需要が増えることよりも、すでに世の中に多く出回っているガソリン・ディーゼル車の自動車触媒をつくることが低コストのため、パラジウムへの需要が増えてプラチナ需要が増えなくなってきています。
現状プラチナ価格はパラジウム価格を下回っておりますが、今後の上がらないというわけではありません。
水素自動車の電極にプラチナが使用されるため、水素自動車が普及していくなど中国市場でのプラチナ需要が回復することで上がる余地はまだまだあります。
パラジウム価格の推移
現在、パラジウム価格がプラチナ価格を大きく上回っています。
もともと自動車用触媒はプラチナを用いることが主流でしたが、アメリカのフォードモーターズがパラジウムに着目したことでパラジウムが一気に上がりました。
引用元:Palladium Prices – Interactive Historical Chart
パラジウム消費量はリーマンショック以降に増えてきています。
パラジウム価格が高騰していくと自動車メーカーはコスト削減のため、パラジウムの使用量を減らしていき、安価なプラチナの使用量を増やしていました。
しかし、世界人口の増加とともに自動車の数は増えていったので、本来は減るはずだったパラジウム消費量が増えて行くことになりました。
世界的にみると、もともとの生産量の希少さとロシアからの供給の不安定さが原因でパラジウムの投機的な人気は高まっておりました。
さらに最近の価格が上がっている大きな原因はロシアのウクライナ侵攻です。(※2022年8月22日現在)
ロシアが経済制裁へ対抗して、既に供給を減らしている天然ガスに加えてパラジウムも減らすのでないかといった懸念が高まったことが影響しているとも言われています。
ただでさえ流通量が少ないだけに供給不安や戦争の終わりが見えない現状、パラジウムの価格の上昇は続きそうですね。
レアメタルを用いた自動車触媒も買取価格が上昇中
ガソリン車、ディーゼル車ともに、車種(年式、型式)によって買取価格はさまざまです。
レアメタルの価格が上昇することで触媒の買取価格が上がるように、外的な要因がけっこう影響してきます。
実際の価格帯は下記の通りになります。
・ガソリン車 5,000円~260,000円
・ディーゼル車 5,000円~100,000円 (2022年8月時点)
当サイトに提示している価格になりますが、詳細は買取専門のぺージを参照下さい。
触媒買取ドットコム
当サイトでは他社よりも高い買取を心がけておりますので、価格のことで気になった方は遠慮なくお問い合わせいただけたらと思います!
買取価格の詳細については以下の記事も参考にして下さい!
素人でも売れる!自動車触媒とは?仕組みと種類を年間買取3000本のプロが簡単に解説!
まとめ
・レアメタルは希少性が高いが様々なものに使われている
・パラジウムとプラチナは自動車部品が多くの割合を占めている。
・パラジウムの価格が高騰している。
・ロシアのウクライナ侵攻の影響でパラジウム不足が懸念されている。
いかがだったでしょうか。触媒でも色々な大きさや、成分量に違いがあるため適切な価格で買取ってほしいですよね。
当サイトは触媒買取専門店として年間約3000本の買取実績があります。買取依頼書に記入、身分証のコピーを同梱して、着払いで送るだけなので、とても簡単な手続きで買取ができます。
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